その扉をたたく音

瀬尾まいこ「その扉をたたく音」読了。

 

高齢者施設×シンガーソングライターという設定に強い親近感を覚え、読みやすい文章に引き込まれあっという間に読み終えてしまった。

 

主人公は29歳無職の男性シンガーソングライター。「男は30にして立つ」という言葉があるが、まさに30歳を目の前にして人生に対する焦りと不安を感じている状況。

 

僕が株式会社こころざし音楽工房を設立したのは29歳になったその日で、28歳の頃から福祉施設で歌い始めているので共感するポイントが多々あり、あの頃の自分もこんな感じだったのだろうかと、時々むず痒くなった。

 

彼はいい奴なんだろうが、言葉遣いに知性を感じず、音楽人としてもリスペクトし難く、友だちになりたいとは思わなかった笑

 

そして多くの高齢者施設を見て回ったが、あんなに気軽に施設内に出入りしている外部の人に出会ったことはない笑 この人生を選択した以上、自分の活動と歌と楽曲に誇りを持ち、堂々と活動して行かねばならないと気づかせてもらった。自分の中の小さな奇跡の始まりかも知れない。